東京電力は5日、福島第一原発2号機の原子炉格納容器から採取した溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)について、取り出しができる放射線量の基準値を下回ったと発表した。取り出し作業の完了は7日以降になるという。
東電は2日、燃料デブリをつまんだ装置を格納容器の外側に設けた「隔離箱」に収納。5日に隔離箱の上に置いた線量計で測ったところ、20センチの距離で毎時約0.2ミリシーベルトだったという。
作業員が過剰に被曝(ひばく)しないために決めた基準(20センチの距離で毎時24ミリシーベルト)を下回ったため、6日に隔離箱の中で箱形の容器に入れる予定。7日以降、隔離箱の側面にある窓を開け、バケツ型の容器に入れる。東電は、バケツ型容器に入れた時点を燃料デブリの試験的取り出しの完了としている。
福島第一原発の1~3号機には推計880トンの燃料デブリがある。政府と東電は今回、2号機で試験的に3グラム以下の燃料デブリを取り出し、成分などを分析して今後の取り出し方法の検討に生かすとしている。(玉木祥子、福地慶太郎)